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誰もが自分自身に囚われの身であり、誰もがその牢獄の壁だけに言葉を書きつける。だがその牢獄が彼に解放をもたらすのである。

(ブスケ『傷と出来事』)

 朝は十時に起きられたが朝食後もどうも眠いので十分だけ、と思ったら追加で一時間ほど寝てしまう。ここ数日軽くさらっていた研究書のまとめをひとまず終える。読書ノートなど一切つけず常に短期記憶でなんとかしてきたが、さすがに非効率的すぎるので最近は少しだけ記録をつけるようになった。といってもworkflowyで引用プラス一言コメント程度だが。簡単に階層化できるのは案外侮れないということに今更気づいた。

昼食べながら「カメラを止めるな!リモート大作戦!」。もちろんヒット作セルフパロディゆえの限界はあるものの、元の作品では言い訳としても機能していた映画内映画の稚拙さが、本作ではあくまでも演者から観客まで、あらゆる映画と関わる人間の笑顔を見たいという素直さと関わるものとして表現されていて、むしろ前作よりも好感を持った。

夕方、十年以上ぶりぐらいで一番ちゃんとしてたころの?ジジェクを。『否定的なもののもとへの滞留』4章まで。言ってることは本当に三十年ぐらい全く変わっておらず、ブレていないといえば聞こえはいいが、毎年手を替え品を替えこいつは何をしているんだという気も...。とはいえカントとヘーゲルのくだりはやっぱり面白い。

ベランダ⇨屋内を移動しつつわりと長時間zoom。ログインしそこねた回で友人カップルのなかなかの修羅場が展開されていたという話など。最近落語を聴いているという話題からの流れで友人に言われて思い出したこと。高校で教えていたころ、教室に馴染めず保健室登校をしていた学生とたまに一緒に昼ごはんを食べていた。彼が最近落語にはまっているというのでどんな噺が好きか聞いたところ、食い気味で「死神」です!と返ってきて、いろんな意味で見込みがあるなあと思ったものだが、文学部を受験すると言っていた彼も今頃現役なら新卒になっているのか。明るくなりすぎずに元気でやっていてほしい。