0505

ようやく論文に着手も思うように進まず。もともとあったものを入れて800words強。運動はベランダで多少日を浴びたのとプランクだけ。とにかく気が散る。ジジェク一章と、ランシエール『感性的なもののパルタージュ』訳者解説だけ。カント以上にシラーを盛んに引いているところは面白かった。政治と美学にまつわるあれこれ。

 

生きることに味わい深さを与えるのは生である。幸福にめぐり合ったときに失われるのは幸福だという自負である。何も感じないということ以上に、人間にとって自然なことはない。だが、欲望の終わりがたんなる休息だということは、人間の究極的な絶望の原理にほかならない。(ブスケ『傷と出来事』)

 

0506

オンラインで個別指導、オンライン授業用の資料をアップし、オンライン授業で出された課題を提出していたら午後が終わった。このへんの作業と読書、執筆、生活全般がすべて同じ空間で行われていることが非常にまずい。メリハリのかけらもないしやたらと疲れる。もし今自分が学費なしで休学できる学部生だったらこんな状況で授業を受けるだろうか。

とはいえ、七年も前のレジュメを引っ張り出してきてバーコビッチまとめ直せたのはまあよかった。90sジジェク本は、やけくそ具合が今ほどではなくユーゴやルーマニアなど周囲の政治状況から強いられて書いているのがありありとわかる筆致。カンフーパンダがどうとか言い出して以降と比べるとユーモアの質がガルゲンフモールっぽい。

爆笑問題カーボーイの岡村についてのところを追っかけで。問題のラジオを一切聴かずに署名してる人にこそ聴いてほしい内容だった。一部そんなに同意できないところもあったけど、とにかく誠実。結局は大衆芸能だから何を求めるか決めるのは客の側、と断言していたのもよかった。そこからの連想で昔ユリイカ三浦俊彦が書いていた談志の「マニアックな客」問題を久々に思い出したり。

 

夏の青さは脅迫的である。コキジバトの色をした森に吹き荒れる嵐のように、そこでは鳩が地面に叩きつけられて死んでいく。昨日、私は外出した。帰宅したのは別の男だった。(ブスケ『傷と出来事』)