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夕方フォード『最敬礼』。海軍ものだが戦争での活躍ぶりを描くと見せかけて軍内部での後輩いびりからの陸軍とのアメフト対抗戦で終わるという映画版『ドカベン』並に驚く展開だった。兄弟喧嘩からのノーサイドというあたりで反戦要素があるとも言えるのか、とにかく変な設定である。いじめ場面で暗唱するところとかは面白くはあったが、特集の他の映画と比べるとやや落ちるか。アーンドラダイニングで鯛カレー、ビリヤニミールスをシェア。渋谷のインド系では明らかに一番旨い。また行く。

海浜幕張へ移動。いつぶりか不明のソニックマニアコーネリアスちょっと覗いてスパークス。やはりモロダー期が特に好きだと再確認したが、プライマルなど他のアーティストが軒並み何ら更新のない思い出商法全開のリストだっただけに、長年現役で変化し続けている彼らの貴重さが余計に染みた。プライマルは昔観たスクリーマデリカセットと多分ほぼ全く同じ、ハードフロアも90年代前半からワープしてきたような音だったが、後者についてはこっちもそれを聴きたかったので大満足。翌日サマソニ行くわけでもないのに宿を取っている友人がちらほらおり、これが大人の金の使い方というやつかと妙に感心。

 

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朝最寄駅で一番早くから開店していたのでたまにはと、いけすかないおしゃれ店でエッグベネディクト。雰囲気はやはり落ち着かなかったが店員さんがとても親切だったのでまた行くかも。自分の次に入ってきた高齢のご婦人がメニューすら見ずに朝飯とスパークリングワインを迷わず注文していてかなりかっこよかった。

また昼過ぎ起床。試写二本。夜は近所の立ち食い寿司屋にはじめて行った。なぜか自宅周辺でやたらとぶいぶい言わせている、各国料理を別店舗で展開しているというかなり怪しいチェーン店なのだが、イタリアンの店がまあ旨くないとは言わないもののとにかく味付けが濃い目で、塩たくさんぶっかけときゃええやろ的なパワー型の料理ばかりだったのでやや心配しつつも、まあ寿司だからそこは大丈夫っしょ、と油断して入店したところ、豪快に塩で味付けて醤油いりませんという方向のネタが大半で悪い意味で納得してしまった。

原稿やるはずがやや飲酒してしまったので無理になりストレンジャー・シングスs4最終回を。ギリギリまで引っ張っておいて最後に一気に全員集合に持っていくとばかり思っていたのでまさかのリモート展開にはびっくり。たしかに二桁の人数を一箇所に集めてそれぞれに見せ場作るのも厳しいとなると理にかなった選択に思えるし、zoom的なリアリティをうまく入れ込むという意味でも面白かった。しかもリモートをつなぐメディアがピザ屋の冷蔵庫使ったアイソレーションタンクという・・・。馬鹿馬鹿しいが、80sと現在時をつなぐというコンセプトからすると完璧な組み合わせ。今シーズン、新キャラも結構いてさすがに物語をまとめるのがなかなか難しいというなかでは十分健闘していたようには思うが、最後に一気に盛り上がるカタルシスのようなものはそこまでなかったようにも。ハイライトシーンはエディのメタリカ演奏場面か。前半オチのケイト・ブッシュより大分アガる感じはあった。s3のホッパーの例もあるのでエディは次のシーズンもゾンビっぽい設定で絶対に再登場すると思う。

全体通して次のシーズンの展開が気になるのは、やはりナンシーがどっちとくっつくんだ問題と、ウィルの気持ちどうしてくれんだ問題の二つか。スティーヴ好きだけど別にくっついてほしくはないという微妙なファン心理がある。前半では貸出履歴から人物像を割り出そうとするビデオ屋描写がちょうど最近「ビデオランド」読んだところだったのでなかなかグッときたのと、原点回帰のD&D描写が嬉しかった。信じるというキーワードはbelieve、trust両方入れたら今シーズンも相当数出てきていた。そこにカルトの問題を絡めていくあたりもどう展開するのか楽しみにしていたが、最後のエースの死に方だけは笑ったものの、バスケ部周りの演出はそこまで冴えていなかったような。全体を通してとにかく思ったのは、特にヤングチームがどんどん成長してしまって、さすがに物語の性質とうまく噛み合わなくなってきているという印象。最終決戦前のエディがダスティンに「お前だけは変わるなよ」と語りかけるところはシーズン屈指の名場面だったと思うが、同時に製作陣からの彼へのメッセージでもあるように感じた。

 

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起きて映画の予約をし、原稿を仕上げたあたりで発熱の傾向。夜までにぐんぐん熱が上がり、これはもしかするとあれですか、という雰囲気に。映画はキャンセルし、ひとまずここ数日会った人々に連絡。

熱でぼーっとするのでドラマぐらいしか観られず。白石『オカルトの森へようこそ』5話まで。白石ユニヴァース総集編という感じの作りで新味はないものの、入門編としてはいいのか。超コワすぎ劇場版あたり?から最近のニコ生配信まで、江野がコワすぎの世界線に現れるという越境は継続して起きていたわけだが、今回はさらにNeoまで出てきた。ちょうど去年『カルト』の劇場再上映行ったのも思い出しつつ観た。とはいえ、宇野を除いてはキャストは入れ替わっており、市川役とNeo役は別人、大迫は儀式で踊るカルトの男として出てきており、その辺りどういう位置付けにしているのかも最終回で一応の説明があるのだろうか。ここまでの印象では市川の自己決定や主体性をかなり前面に押し出すことで、ともすればパワハラ云々で今だと色々言われそうなコワすぎモデルに対して、近年のトレンドを押さえているところがまず目についた。そういった配慮もしつつ、怒られなさそうな範囲で宇野が筧を殴る場面を散発的に入れたり、2大カルト激突場面で互いに相手を陰謀論者扱いして馬鹿にして笑う様子を誇張して入れたりで、バランス取りつつ近年の状況を多方面で取り入れようとしている感が。パナウェーブ的な白装束の人たちとメイン悪役のカルトたちが互いに相手をディスり合うところは、本当に毎日twitterに流れてくる光景そのものだったのでさすがの上手さと悪意だなと感心。

 

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全く熱下がらず。マックス39.2ぐらい。夕方発熱外来で陽性発覚。ちーん。

サーヴァントs3ようやく最後まで。まあなんとも低調。早めに次のシーズンでの完結まで決まっててよかった。このシーズン終わりでの判定になってたら打ち切り可能性も十分にあっただろう。リアンがどんどん主体的になっていく展開はイシャナが最終回監督していることからも女性を押し出していくという一貫した狙いがあるはずだが、じゃあそれと全体のプロットが最後にどう関わってくるんだ、というあたりがまだまだ見えてこない感じ。さすがに家の中で4シーズンは無理だろ、となったのか多少外出るようになった、と言ってもほぼ近所の公園とそこに出てくるホームレスぐらいしか家の外で出てくる人物いない、というのは相変わらずめちゃくちゃ異常なドラマではあるのだが。

デュプラス兄弟『ハッピーニート』。主人公が『サイン』の大ファンで無職のおっさんと聞いてずっと気になっていたがようやく。Kevinの符号だけを頼りに動いていく弟の姿はいわゆるシャマラン的なサインを相対化して冷静な立場からやや皮肉っている面もありつつ、その後彼が自分の使命を見つけ出していくに至り、根底にどう考えてもシャマランへの愛とリスペクトに溢れていることが伝わってくる展開。ボンド買う程度というそのあまりにも微小な変化こそがかえってリアルで泣ける。母と兄のエピソードも絡んでくることで総合的にはサインよりマグノリアみたいなノリもあったが、最後に全てが収斂していく脚本も良い。バグったホン・サンスのようなバカズーム多用の撮影は彼らの十八番なのか、そんなにハマっている感じはしなかったがとにかくあまりにしつこいので終始気にはなった。

夜少し熱下がったのでシャワー浴びたのが良くなかったのか再び熱上昇。

 

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起床時はそんなでもなかったが午前は体温測るたびに熱が乱高下するわけわからん状態。ひたすら横になって唸るしかできず食欲もなし。ようやくお粥食べられて午後からは37度台で落ち着く。