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今日も今日とて博論再チェック。なぜこれに気づかなかったのか、という誤植がちらほら...。夜、これを逃したらいつ次があるか、との思いで文芸坐で超絶久しぶりにオールナイト。王兵『死霊魂』。そもそも2005年の素材が中心ということもあるが、原点回帰かつ集大成という印象。『ショアー』と比べてどうという話でもないんだけど、これは世界で他に撮れる人は誰もいなかっただろう。体制側のインタビュイーが一人しか出てこないのは何か意図があったのか気になり滅多に買わないパンフレットも買ってみたが、インタビューによれば単に弾圧していた側は当時58~60年に40代ぐらいの層が中心であり、2005年時点で全員死んでたからという身も蓋もない理由だった。『鉄西区』よりは短いものの8時間半の尺になってしまったのはなぜなのか、と言う点についてはそもそも素材が600時間あり、かつ話を聞けた人のこれは削れないというところを編集するとだいたい30分ぐらいになった、という2点から完全に納得するとともに唖然。今後も残りの素材からスピンオフ的に何本か作られる可能性は高そうだった。どうもほぼ体制側に回収されてしまった感のある去年のジャ・ジャンクーの中国文学ドキュメンタリーあたりとの凄まじい落差に中国の特殊な事情を考えさせられたりも。

 

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昼過ぎ起きてスロースタート。なんとか夕方ほぼチェックを終える。

夜、バインセオサイゴン二回目。前回頼んでなかったもの中心に。ベトナム式カイピリーニャがマンゴー感強めでなかなか気に入ったのでまた飲みたい。

 

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午前中は目が覚めても起き上がれず。スーパーボウルのハーフタイムに流れたらしいシャマラン新作の予告観て元気出た。このタイミングで劇場でしかやらないという宣言をあえてしてくるあたりに痺れた。

夕方まで現実逃避でだらだらしてしまう。こういう向き合いたくないなーという感覚ももう最後かと思うと、ある意味感慨深くもある。軽く走って筋トレ長風呂夕食挟みようやく最終チェック。想定問答的なものも少し。

 

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ぎりぎりになって使用言語がはっきりしないことが発覚して焦ったりもしたが、夕方なんとか口頭試問終了。予定よりかなり長い時間とってもらいありがたし。対面で細部を突っ込まれる機会がこれから何回あるかもわからんし、諸々今後に活かしていきたい。

クソでかタスク終了ということで、さすがにシャンパンといいワインを開けてしまう。

 

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昼にソイ7でガパオライスとグリーンカレーあいがけ。いい感じ。帰りに寄った子供の頃から使っている近所の大きめの本屋、とうとう四大文芸誌は文藝しか置かなくなった模様。いつの間にか文芸誌のコーナーにはHanadaやらクライテリオンやらが平積みされるようになっていた。ただ重版している文藝はきっちり揃えているあたりから考えても、思想がどうこうというより単に売り上げで判断してそうな気がする。昔なら文藝春秋とか買ってた会社重役系の老人が最近は右寄りの雑誌を買っているのだろうか。もう一つの小さめの店でようやく炎上していた文學界の連載をチェック。作品数と字数の関係がそもそもあまり健全ではない、と改めて感じた。褒めたい作品に字数使いたい、となると他のものに割けるのはツイッター以下の字数、みたいなことになりがちで、その中でディスり芸を披露してやろうとイキると、結果的にどスベりせざるをえなくなる、というような構造があるような気が。個人的には燃えたコメントはめちゃくちゃつまらなかったがそれとは関係なく騒動自体は明らかに編集部に落ち度があると思う。あと同じ号に載っていた九龍ジョーいとうせいこうの対談が良すぎた。割ける時間とカネに限界はあるが、今年はなんとか可能な限り芸能の現場に駆けつけたい。

夕方からわりと強めの二日酔いも、まあ心地よい美酒の名残ということで甘んじて受け入れる。夜は何もする気起きずほぼベッドの上で過ごし、お笑いの動画などひたすら見た。夜見たニューヨークの「ザ・エレクトリカルパレーズ」がなかなかの傑作。振り返りトークの動画で屋敷が、お互いプロレスできるタイミングになったからNSC卒業直後の中途半端なイジリの雪辱も込めて今撮った(大意)と言ったコメントをしていたのも含めて良かった。痛い物事をバカにして笑うこと自体にもかなり忌避感が生まれつつある現在の状況にあって、単に蔑むというよりはむしろ全体としては当時のエレパレ構成員を愛さずにはいられない方向に持っていきつつ、しっかりくそダサいオリジナルソングを散々歌わせたりもする匙加減。去年のM1は順番と準決勝から足した箇所がたまたまはまらなかったのが惜しかったが、今年は頑張ってほしい。